AWS Recent Announcements(6/1~6/12)

はじめに(定型文)

AWSのUpdate情報の中で、個人的に気になったものをピックアップします。
(Update以外でも新しく知った情報や、たまにAWS以外の情報も記載するかもしれません)
※日本語は反映が遅いので基本英語版で見ています
 

AWS Step Functions launches an interactive workshop for building and deploying application workflows

Step Functionsの学習用ワークショップ資料が公開されました。
(What's Newの中にワークショップ資料の追加までアナウンスされるイメージはあまりなかったですが)
Step Functionsは去年あたりから大幅に更新が入ってかなり使いやすくなっており、様々なAWSサービスと統合されてLambdaを書く必要性も少なくなっているので、勉強しておいて損はないサービスだと思います。
 

Amazon EMR Serverless is now generally available

EMR Serverlessがリリースされました。
EMRはSparkやPrestoといった分散フレームワークを容易に構築できるサービスです。
複数のEC2、もしくはEKSクラスターなどのインフラを必要とするので、提案の際にコストがネックになりがちでしたが(Redshiftなども同様)、Serverlessが使えることにより小規模なシステムでも利用しやすくなると思います。
(東京リージョンでも使えます)
 

AWS Elastic Disaster Recovery now supports multiple staging and target accounts

AWS Elastic Disaster Recovery(DRS)が複数のステージング・ターゲットアカウントに対応しました。
DRSはオンプレ(VMwareHyper-V)やEC2をAWSの別リージョンにレプリケーションしてくれるサービスで、主に災害対策として利用されるものです。
(以前はCloudEndureのDisaster Recovery機能として提供されていたものと記憶)
 
今回、ステージアカウントとターゲットアカウント(※)を複数(最大300→3000と謳っているのでおそらく10個まで)選択できるようになりました。
(下記のようなイメージです(ドキュメントより抜粋))

※ステージはレプリケーション用のインスタンスを配置する環境で、ターゲットはリストア先の実働環境という位置付け
 

Announcing AWS Cost Allocation Tag API

コスト割り当てタグの設定がAPIで実施できるようになりました。(以前はコンソールのみ)
これにより、アカウントの初期構築作業などの中で自動化できそうと思いましたが、現状Cloudformationには対応していないようです。
(個人的にはAWS SSOのidentitystore APIでユーザー・グループが作れるようになるのも待っています)
 

AWS Mainframe Modernization is now generally available

メインフレームのアプリケーション移行用のサービスがリリースされました。
AWS上でマネージドランタイムというPaaS環境を立ち上げ、アプリケーションのコードを解析してリファクタリング(To Java)またはリプラットフォームをして実行するサービスのようです。
リファクタリングとしてAWS BluAge、リプラットフォームとしてMicroFocusが利用可能)
 

AWS Health Dashboard streamlines service transparency via Connector for ServiceNow

AWS Service Management ConnectorでServiceNowと連携できるようになりました。
(おそらく連携自体は個別実装すればできたかと思いますが、それがConnectorで簡単にできるようになった)
上記リンクはHealth Dashboardと連携できるようになった旨のアップデートですが、同様にServiceNowと連携できるようになった系のアップデートがいくつか出ていました。
 
ServiceNowはITILで言うところのITサービスマネージメント(ざっくり言うと運用)に位置付けられるプロダクトで、大きめ且つハイブリッド環境のところだとよく使われるので、できることを覚えておくと業務の幅が広がるかもしれません。
 
(ちなみにJIRAも対応)
 

Amazon Aurora PostgreSQL-compatible edition now supports zero-downtime patching

Aurora PostgreSQLでゼロダウンタイムパッチ(ZDP)がサポートされるようになりました(元々はMySQL版でのみサポートされていた機能)。
これにより、マイナーバージョンとパッチバージョンの更新時はダウンタイムが発生しないため、実働環境で無停止でのバージョンアップが可能となります。
(元々マイナーバージョンアップであればダウンタイムは30秒~1分ぐらいの短期間ではありましたが)
 
※どうでもいいですがこの機能、サービス利用者にはすごく重要だと思うのですが、ドキュメントで明確に記載されている箇所が無い(見つけられていないだけもしれませんが)のはかなり謎です
 

Amazon Aurora PostgreSQL supports LO module

Aurora PostgreSQLでラージオブジェクト(LO。もしくはBLOB)が拡張機能でサポートされるようになりました。
ラージオブジェクトはテーブルにサイズの大きなデータ(動画や画像など)を大容量オブジェクトとして格納する際に利用する機能で、これによりDBのトランザクション機能を利用しつつ大きなサイズのデータを扱えるようになるメリットがあります。
拡張機能ではPostGISぐらいしか入れたことないので、正直あまりピンとは来ていないですが)
(DynamoDBではサイズの大きなデータをS3に配置し、テーブルにはその配置先を格納するユースケースがあるので、その別解だと想像)
 
全然関係無いですが、ずっと前から東京リージョンにも欲しいと思っていたAuroraのバックトラックの機能、MySQL版限定ですがいつの間にか日本上陸を果たしていたようです(6/12時点で英語ドキュメントのみ記載)